- 歌の意味
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山のふもとを流れる水に姿を映して見ると、眉が真っ白になって、わたしは老いてしまったことだ。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌下 1710
詞書「山水を掬びてよみ侍りける」
老いを嘆く歌の二首目である。山の下を流れる水に映ったわが姿を見ると、眉まで真っ白になっており、老いてしまったと気づく、と詠む。詞書によれば、山の水を手ですくった折の歌で、水に映った姿に思いがけず老いを知った驚きがこもる。
作者の「能因法師」は、俗名を橘永愷といい、若くして出家した。諸国の歌枕を訪ねて旅をし、歌学書『能因歌枕』を著した。
初句「葦引の」は「山」にかかる枕詞である。
二句「山下水に」は、山のふもとを流れる水をいう。詞書の、手ですくった山の水である。
三句「影見れば」の「影」は、水に映った自分の姿である。前歌で水に映る松の影を詠んだのに続き、本歌では水に映るわが身の影を見ている。
四句「眉白妙に」は、眉が白い布のように真っ白に、の意である。髪ではなく眉の白さに老いを見出したところに、驚きの実感がある。
結句「我老いにけり」の「けり」は、気づきを表す詠嘆の助動詞である。前歌の初句「老いにける」と響き合い、老いを詠む二首を結んでいる。
むすぶ:手を合わせて水をすくう
しろたへ:白い布。転じて白い色
- 作者
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能因
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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老いにける渚の松の深緑 沈める影をよそにやは見る
- 次の歌
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なれ見てし花の袂をうちかへし 法の衣を裁ちぞかへつる