言の葉の中をなくなく尋ぬれば
昔の人に逢ひ見つるかな
- 歌の意味
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歌の言葉の中を泣く泣く尋ねてゆくと、亡き昔の人に逢うことができたことだ。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌下 1729
詞書「歌たてまつれと仰せられければ、忠岑がなど書き集めてたてまつりける奥に書きつけける」
歌の書写や撰集にかかわる歌の二首目である。歌の言葉の中を泣きながら尋ねてゆくと、亡き昔の人に逢うことができた、と詠む。詞書によれば、歌を奉るよう命じられ、父の忠岑の歌などを書き集めて献上した際、その奥に書き付けた歌である。父の歌を集めながら、亡き父を偲ぶ心がこもる。
作者の「壬生忠見」は、壬生忠岑の子である。三十六歌仙の一人に数えられ、天徳内裏歌合で平兼盛と「恋」の題で番えられたことで知られる。
壬生忠岑は『古今和歌集』の撰者の一人である。
初句「言の葉の」は、歌の言葉をいう。前歌までの撰集や書写の歌を受け、歌を書き集める営みが詠まれる。
二句「中をなくなく」は、その中を泣きながら、の意である。父の歌を一首ずつたどる悲しみが示される。
三句「尋ぬれば」は、尋ねてゆくと、の意である。「ば」は已然形に付く順接確定条件で、下の句の出会いを導く。
四句「昔の人に」は、亡き父の忠岑を指す。歌の中に故人の面影を見出している。
結句「逢ひ見つるかな」の「つる」は完了の助動詞「つ」の連体形、「かな」は詠嘆の終助詞である。歌を通して父に再会したという感慨で一首を結んでいる。
ことのは:言葉。和歌
おく:書物や手紙の終わりの部分
- 作者
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壬生忠見
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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浅からぬ心ぞ見ゆる音羽川 堰き入れし水の流れならねど
- 次の歌
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ひとり寝の今宵も明けぬ誰としも 頼まばこそは来ぬも恨みめ