背けどもあめのしたをし離れねば
いづくにもふる涙なりけり
- 歌の意味
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世を捨てても、天の下を離れることはできないので、雨が降るように、どこにいても涙が降り、涙にくれて世を過ごすのだった。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌下 1744
詞書は前の歌に続き「題しらず」
世を背くことを詠む歌の二首目である。世を捨てても天の下を離れることはできないので、雨の降るようにどこにいても涙が降る、と詠む。出家しても世の憂さから逃れられない嘆きを、雨と涙に託している。
作者は「よみ人しらず」とされ、名は伝わらない。
初句「背けども」は、世を捨てても、の意である。前歌の「背かねば」を受け、背いた後の身を詠んでいる。
二句「あめのしたをし」の「あめ」は、天の意と雨の意とを掛ける掛詞である。「し」は強意の副助詞である。
三句「離れねば」は、離れないので、の意である。この世に生きている限り天の下を出られないことをいう。
四句「いづくにもふる」の「ふる」は、雨や涙が降る意と、世を経る意とを掛ける掛詞である。
結句「涙なりけり」の「けり」は、気づきを表す詠嘆の助動詞である。どこへ逃れても涙の降る身だと思い知る形で結ぶ。次歌も「あめのした」の語を用いている。
あめ:天の意と、雨の意を掛ける
ふる:雨や涙が降る意と、世を経る意を掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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憂しと言ひて世をひたぶるに背かねば 物思ひ知らぬ身とやなりなむ
- 次の歌
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大空に照る日の色をいさめても 天の下には誰か住むべき