君が代にあはずは何を玉の緒の
長くとまでは惜しまれし身を
- 歌の意味
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わが君の御代にめぐりあわなかったならば、何のために命を長くとまで惜しんだりしただろうか、この身を。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌下 1759
詞書は前の歌に続き「和歌所にて述懐の心を」
和歌所で述懐の心を詠む一連の三首目である。わが君の御代にめぐりあわなかったならば、何のためにこの身の命を長くと惜しんだだろうか、と詠む。後鳥羽院の治世に生きあわせ、和歌所に仕える喜びと、それゆえに命を惜しむ心を述べている。
作者の「定家朝臣」は藤原定家である。藤原俊成の子で、『新古今和歌集』の撰者の一人であり、のちに『新勅撰和歌集』を単独で撰んだ。
和歌所は、『新古今和歌集』の撰進のため、後鳥羽院が建仁元年に院の御所に設けた役所である。
初句「君が代に」は、わが君の御代に、の意で、後鳥羽院の治世を指す。
二句「あはずは何を」は、めぐりあわなかったならば、何のために、の意である。「ずは」は打消の仮定を表す。
三句「玉の緒の」は、命のことである。「緒」の縁で、四句の「長く」を導いている。
四句「長くとまでは」は、長くあれとまでは、の意である。命の緒の長さを願う心をいう。
結句「惜しまれし身を」は、惜しんだこの身を、の意である。「れ」は自発の助動詞、「し」は過去の助動詞「き」の連体形で、「を」は詠嘆を込める。君の御代にあう喜びがあってこそ命が惜しまれたのだと、治世をたたえている。
たまのを:命
をしむ:大切に思って失うまいとする
- 作者
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藤原定家
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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袖に置く露をば露と忍ぶとも 馴れゆく月や色を知るらむ
- 次の歌
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おほかたの秋の寝覚めの長き夜も 君をぞ祈る身を思ふとて