おほかたの秋の寝覚めの長き夜も
君をぞ祈る身を思ふとて
- 歌の意味
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誰にとっても寂しい秋の、寝覚めがちな長い夜にも、わが君のことを祈っている。わが身を思うからこそ。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌下 1760
詞書は前の歌に続き「和歌所にて述懐の心を」
和歌所で述懐の心を詠む一連の四首目で、藤原家隆の歌三首の一首目である。誰もがもの思う秋の寝覚めの長い夜にも、わが身を思うからこそわが君の御代を祈っている、と詠む。わが身の行く末は君の御代にかかっているとして、後鳥羽院への忠誠を述べている。
作者の「家隆朝臣」は藤原家隆である。藤原光隆の子で、『新古今和歌集』の撰者の一人である。宮内卿に至り、藤原定家と並び称された。
和歌所は、『新古今和歌集』の撰進のため、後鳥羽院が建仁元年に院の御所に設けた役所である。
初句「おほかたの」は、世間一般の、誰にとっても、の意である。秋がもの思いの季節であることを示す。
二句「秋の寝覚めの」は、秋の夜に眠りから覚めてもの思いにふけることをいう。
三句「長き夜も」は、秋の長い夜にも、の意である。「も」に、そのような夜にさえ、という心がこもる。
四句「君をぞ祈る」は、わが君の御代の栄えを祈る、の意である。前歌の定家の「君が代に」と同じく、後鳥羽院への思いを詠んでいる。
結句「身を思ふとて」は、わが身を思うからこそ、の意である。倒置によって祈りの理由を示し、君の御代の栄えがそのまま自身の支えであることを述べている。
ねざめ:夜中に目が覚めること
おほかた:世間一般。普通
- 作者
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藤原家隆
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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君が代にあはずは何を玉の緒の 長くとまでは惜しまれし身を
- 次の歌
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和歌の浦や沖つ潮合に浮かび出づる あはれ我が身の寄るべ知らせよ