君が代にあへるばかりの道はあれど
身をば頼まず行く末の空
- 歌の意味
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わが君の御代にめぐりあえたという道だけはあるけれども、わが身そのものは頼みにできない、行く末の空よ。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌下 1763
詞書は前の歌に続き「和歌所にて述懐の心を」
和歌所で述懐の心を詠む一連の七首目である。わが君の御代にめぐりあえたという道はあるが、わが身そのものは頼みにできず、行く末は空のようにおぼつかない、と詠む。君の御代にあう喜びと、自らの行く末への不安とを並べて述べている。
作者の「雅経朝臣」は藤原雅経である。藤原頼経の子で、『新古今和歌集』の撰者の一人である。蹴鞠にも優れ、飛鳥井家の祖となった。
初句「君が代に」は、本巻の第千七百五十九首の定家の歌と同じ初句である。後鳥羽院の治世を指す。
二句「あへるばかりの」は、めぐりあえたというだけの、の意である。定家が「あはずは」と仮定で詠んだのに対し、本歌は「あへる」と現にめぐりあえたことを述べる。
三句「道はあれど」は、その道だけはあるけれども、の意である。「道」には和歌の道も重なっている。
四句「身をば頼まず」は、わが身そのものは頼みにしない、の意である。「をば」で身を強く取り立てている。
結句「行く末の空」は、将来のおぼつかなさを空にたとえる。体言止めで、先の見えない不安を余韻として残している。
ゆくすゑ:将来。これから先
- 作者
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藤原雅経
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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その山と契らぬ月も秋風も すすむる袖に露こぼれつつ
- 次の歌
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惜しむとも涙に月も心から 馴れぬる袖に秋を恨みて