さりともと頼む心の行く末も
思へば知らぬ世にまかすらむ
- 歌の意味
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それでもいつかはと頼みにする心の行く末も、考えてみれば、先のわからない世にまかせているのだろう。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌下 1773
詞書は前の歌に続き「題しらず」
世を厭いながら捨てきれない心を詠む歌の九首目である。それでもいつかはと頼みにしている心の行く末も、考えてみれば先のわからない世にまかせているのだろう、と詠む。頼みとするものさえ定めない世にゆだねるほかない心細さを述べている。
作者の「賀茂重保」は、賀茂別雷神社の神主である。私撰集『月詣和歌集』を撰んだ。
初句「さりともと」は、それでもいつかはと、の意である。本巻の第千七百七十首の三句と同じ語で、そこでは仏道を先延ばしにする心として詠まれていた。
二句「頼む心の」は、頼みにする心の、の意である。
三句「行く末も」は、その心の行き着く先も、の意である。
四句「思へば知らぬ」は、考えてみれば先のわからない、の意で、結句の「世」にかかる。
結句「世にまかすらむ」の「らむ」は現在推量の助動詞である。頼みにする心そのものが無常の世にゆだねられているという気づきで、頼みとするものの危うさを示している。
さりとも:そうであっても。いくらなんでも
まかす:ゆだねる
- 作者
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賀茂重保
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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憂きながらなほ惜しまるる命かな 後の世とても頼みなければ
- 次の歌
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つくづくと思へばやすき世の中を 心と嘆く我が身なりけり