月の行く山に心を送り入れて
闇なる後の身をいかにせむ
- 歌の意味
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月が入ってゆく山に心を送り入れてしまって、月の沈んだあとの闇に残されたこの身を、どうしたらよいのだろう。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌下 1781
詞書は前の歌に続き「題しらず」
月に寄せて心を詠む歌の一首目で、西行の歌二首の二首目である。月の沈んでゆく山に心を送り入れてしまったら、闇に残されたこの身をどうしたらよいのか、と詠む。月を慕うあまり心が身を離れてしまう西行の心のありさまを、月の入る山に託している。
作者の「西行法師」は、俗名を佐藤義清といい、鳥羽院に北面の武士として仕えたが、若くして出家した。諸国を旅して歌を詠み、家集に『山家集』がある。原文に作者名はなく、前歌から続く。
初句「月の行く」は、月が沈んでゆく、の意である。ここから月を詠む歌が続く。
二句「山に心を」は、月の入る山に心を、の意である。
三句「送り入れて」は、送り込んで、の意である。六音の字余りで、心が月とともに山へ入ってゆくさまを示す。
四句「闇なる後の」は、月が沈んで闇となった後の、の意である。心が去った後の空虚をも示している。
結句「身をいかにせむ」は、この身をどうしたらよいのか、の意である。心と身とが分かれてしまう嘆きを、月の沈んだ闇の中の身として描いている。
おくりいる:送り込む
- 作者
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西行
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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いづくにも住まれずはただ住まであらむ 柴の庵のしばしなる世に
- 次の歌
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思ふことなど問ふ人のなかるらむ 仰げば空に月ぞさやけき