ながめつつ我が思ふことはひぐらしに
軒の雫の絶ゆるよもなし
- 歌の意味
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長雨の降るのを眺めながら思いにふける、わたしのもの思いは、一日中絶えることがない。軒の雫が昼も夜も絶えないように。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌下 1801
詞書「秋雨を」
秋の雨を詠む歌である。長雨を眺めながらのもの思いは、軒の雫が一日中、夜も絶えないように、絶えることがない、と詠む。秋の長雨の雫に、尽きないもの思いを重ねている。詞書によれば、秋の雨を題として詠んだ歌である。
作者の「中務卿具平親王」は、村上天皇の皇子で、中務卿を務めた。学問と詩文に優れ、後中書王と呼ばれた。
初句「ながめつつ」の「ながめ」は、もの思いにふけって眺める意と、長雨の意とを掛ける掛詞である。
二句「我が思ふことは」は、わたしのもの思いは、の意である。
三句「ひぐらしに」は、一日中、日暮らし、の意である。前歌の秋の夜に続き、秋の昼の長雨を詠む。
四句「軒の雫の」は、軒から落ちる雨の雫である。雫の絶え間なさが、もの思いの絶え間なさのたとえとなる。
結句「絶ゆるよもなし」の「よ」は夜のことで、三句の「ひぐらし」と対をなし、昼も夜も絶えることがない、の意となる。雫とともに尽きないもの思いを示している。
ながめ:もの思いにふけって眺める意と、長雨の意を掛ける
ひぐらし:一日中。朝から晩まで
- 作者
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具平親王
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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秋の夜の暁方のきりぎりす 人づてならで聞かましものを
- 次の歌
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木枯らしの風にもみぢて人知れず 憂きことの葉のつもる頃かな