うたた寝は荻吹く風に驚けど
長き夢路ぞ覚むる時なき
- 歌の意味
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うたた寝の夢は、荻を吹く風の音にはっと覚めるけれども、生死の迷いという長い夢路は、覚める時がない。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌下 1804
詞書「題しらず」
秋の景に寄せてもの思いを詠む歌の三首目である。うたた寝の夢は荻を吹く風に覚めるが、迷いの世という長い夢路は覚める時がない、と詠む。短い夢と長い夢とを対比し、迷いから覚めることのできない人の世の無常を述べている。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者の「崇徳院御歌」は崇徳天皇の歌である。鳥羽天皇の皇子で、譲位後、保元の乱に敗れて讃岐に流され、その地で没した。
初句「うたた寝は」は、ついうとうとと寝ることをいう。短い眠りとして、四句の「長き夢路」と対をなす。
二句「荻吹く風に」は、荻の葉を吹く風の音に、の意である。荻の葉音は秋の訪れを知らせるものとして詠まれる。
三句「驚けど」は、はっと目が覚めるけれども、の意である。「ど」は逆接の接続助詞である。
四句「長き夢路ぞ」は、長い夢の道、すなわち生死の迷いの中にある人の世をいう。係助詞「ぞ」が結句へ係る。
結句「覚むる時なき」は、係助詞「ぞ」を受けて形容詞の連体形「なき」で結ぶ係り結びである。うたた寝の短い夢と人生の長い夢とを対比し、迷いから覚めない身を嘆いている。
うたたね:うとうとと寝ること。仮寝
をぎ:イネ科の草。秋風に葉音を立てる
おどろく:はっと目を覚ます
ゆめぢ:夢の中の道。夢
- 作者
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崇徳天皇
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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嵐吹く峰の紅葉の日にそへて もろくなりゆく我が涙かな
- 次の歌
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竹の葉に風吹き弱る夕暮の もののあはれは秋としもなし