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竹の葉に風吹き弱る夕暮の
もののあはれは秋としもなし

歌の意味
竹の葉に吹く風が弱まってゆく夕暮の、しみじみとしたもの悲しさは、秋に限ったものではない。
鑑賞
巻第十八 雑歌下 1805

詞書は前の歌に続き「題しらず」
 秋の景に寄せてもの思いを詠む歌の四首目である。竹の葉に吹く風が弱まってゆく夕暮のもの悲しさは、秋に限ったことではない、と詠む。もののあはれは秋のものとする通念に対し、季節を問わず夕暮にこそあるとしている。
 作者の「宮内卿」は、源師光の娘で、後鳥羽院に仕えた女房である。若くして才を認められたが、早くに没した。

 初句「竹の葉に」は、竹の葉に、の意である。竹は四季を通じて色を変えない植物で、季節を問わない景として置かれている。
 二句「風吹き弱る」は、吹いていた風が弱まってゆく、の意である。
 三句「夕暮の」は、日の暮れ方をいう。もの思いを誘う時として置かれる。
 四句「もののあはれは」は、しみじみとしたもの悲しさは、の意である。
 結句「秋としもなし」は、秋に限ったことではない、の意である。「しも」は強意の副助詞である。前歌までの秋の景に対し、あわれは秋だけのものではないと理屈を差し向けている。

ものあはれ:しみじみとした情趣。もの悲しさ
作者
宮内卿
出典
新古今和歌集
前の歌
うたた寝は荻吹く風に驚けど 長き夢路ぞ覚むる時なき
次の歌
夕暮は雲のけしきを見るからに ながめじと思ふ心こそつけ