夕暮は雲のけしきを見るからに
ながめじと思ふ心こそつけ
- 歌の意味
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夕暮には、雲の様子を見るとすぐに、もの思いにふけって眺めるまいと思う心が起こることだ。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌下 1806
詞書は前の歌に続き「題しらず」
夕暮を詠む歌の一首目で、和泉式部の歌二首の一首目である。夕暮には雲の様子を見るやいなや、もの思いにふけって眺めるまいと思う心が起こる、と詠む。夕暮の雲がもの思いを誘うことを知るからこそ、あえて眺めまいと心を戒めている。
作者の「和泉式部」は、大江雅致の娘である。和泉守橘道貞の妻となったことからこの名で呼ばれる。為尊親王、敦道親王との恋で知られ、のちに上東門院彰子に仕えた。
初句「夕暮は」は、夕暮には、の意である。前歌の夕暮を受けている。
二句「雲のけしきを」は、雲のありさまを、の意である。夕暮の雲はもの思いを誘うものとされる。
三句「見るからに」は、見るとすぐに、の意である。
四句「ながめじと思ふ」は、もの思いにふけって眺めるまいと思う、の意である。「じ」は打消意志の助動詞である。
結句「心こそつけ」は、係助詞「こそ」を受けて已然形「つけ」で結ぶ係り結びである。眺めれば思いに沈むことを知る心が、先んじて眺めまいと戒めを起こすさまを示している。
けしき:ありさま。様子
ながむ:もの思いにふけってぼんやりと見る
- 作者
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和泉式部
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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竹の葉に風吹き弱る夕暮の もののあはれは秋としもなし
- 次の歌
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暮れぬめりいくかをかくて過ぎぬらむ 入相の鐘のつくづくとして