- 歌の意味
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暁だと告げる、その黄楊の枕を傾けて耳をすまし、聞くのも悲しい鐘の音であることよ。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌下 1809
詞書「暁の心をよめる」
鐘の音を詠む歌の二首目にあたり、暁を詠む歌の一首目である。暁を告げる鐘の音を、黄楊の枕を傾けて聞くのも悲しい、と詠む。詞書によれば、暁の心を詠んだ歌である。
作者の「皇太后宮大夫俊成」は藤原俊成である。藤原俊忠の子で、『千載和歌集』を撰んだ。藤原定家の父である。
三句「枕をそばだてて」は、白居易の詩句「遺愛寺の鐘は枕を欹てて聴き、香炉峰の雪は簾を撥げて看る」を踏まえる。
初句「暁と」は、暁であると、の意である。前歌の入相の鐘から、ここでは暁の鐘へと時が移る。
二句「つげの枕を」の「つげ」は、告げる意と、黄楊の木で作った枕の意とを掛ける掛詞である。
三句「そばだてて」は、枕を傾けて耳をすまして、の意である。白居易の詩句を踏まえている。
四句「聞くも悲しき」は、聞くのも悲しい、の意である。
結句「鐘の音かな」の「かな」は詠嘆の終助詞である。暁の鐘は夜の終わりとともに、無常を告げる音として詠まれている。前の二首の入相の鐘と対をなし、夕べと暁の鐘が並べられている。
つげ:告げる意と、黄楊(つげ)の木を掛ける
そばだつ:一方を高くする。傾ける
- 作者
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藤原俊成
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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待たれつる入相の鐘の音すなり 明日もやあらば聞かむとすらむ
- 次の歌
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暁のゆふつけ鳥ぞあはれなる 長き眠りを思ふ枕に