ささがにの空に巣かくも同じこと
またき宿にもいくよかは経む
- 歌の意味
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蜘蛛が空に巣をかけるのも同じことだ。しっかりした家に住んでいても、幾夜、幾世を過ごせるだろうか。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌下 1817
詞書「夕暮に蜘蛛のいとはかなげに巣かくを常よりもあはれと見て」
蜘蛛に寄せて身を詠む歌の二首目である。蜘蛛が空に頼りない巣をかけるのも、人が立派な家に住むのも同じことで、幾夜、幾世を過ごせようか、と詠む。詞書によれば、夕暮に蜘蛛がいかにもはかなげに巣をかけるのを、いつもより哀れに思って詠んだ歌である。
作者の「僧正遍昭」は、俗名を良岑宗貞といい、桓武天皇の孫にあたる。仁明天皇に仕えたが、天皇の崩御を機に出家し、僧正に至った。六歌仙の一人に数えられる。
初句「ささがにの」は、前歌と同じ初句で、ここでは蜘蛛そのものを指す。
二句「空に巣かくも」は、空中に巣をかけるのも、の意である。頼りない住まいの象徴である。
三句「同じこと」は、同じことだ、の意である。蜘蛛の巣と人の住まいとを同じものと見なし、ここで句切れとなる。
四句「またき宿にも」は、完全な、しっかりした家にも、の意である。「またし」は完全である意の形容詞である。
結句「いくよかは経む」の「いくよ」は、幾夜の意に幾世の意を重ねる。「かは」は反語で、幾夜も過ごせはしない、の意となる。蜘蛛の巣も人の家も無常であることを示している。
すかく:蜘蛛が巣を張る
またし:完全である。欠けたところがない
- 作者
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遍昭
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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ささがにのいとかかりける身のほどを 思へば夢の心地こそすれ
- 次の歌
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光待つ枝にかかれる露の命 消えはてねとや春のつれなき