荒く吹く風はいかにと宮城野の
小萩が上を人の問へかし
- 歌の意味
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荒く吹いた風はどうだったかと、宮城野の小萩のようなこの幼い子の身の上を、あなたは尋ねてくれてもよいのに。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌下 1819
詞書「野分したるあしたに、幼き人をだに問はざりける人に」
草木に寄せて思いを詠む歌の二首目である。荒く吹いた風はどうだったかと、宮城野の小萩のようなこの幼い子の身の上を、せめて尋ねてほしい、と詠む。詞書によれば、野分の吹いた翌朝、幼い子の見舞いさえしなかった人に贈った歌で、訪れの途絶えた相手を、子にかこつけてやんわりと責めている。
作者の「赤染衛門」は、赤染時用の娘である。大江匡衡の妻で、上東門院彰子に仕えた。
宮城野は陸奥国、今の仙台市の野で、萩の名所として詠まれる歌枕である。
初句「荒く吹く」は、激しく吹く、の意である。詞書の野分を指す。
二句「風はいかにと」は、風はどうだったかと、の意である。見舞いの言葉を想定している。
三句「宮城野の」は、萩の名所の歌枕である。
四句「小萩が上を」は、小さな萩の身の上を、の意である。小萩は幼い子をたとえる。前歌の枝にかかる露に続き、風に揺れる草に託している。
結句「人の問へかし」の「かし」は念を押す終助詞である。問うてほしい、問うてくれてもよいのに、の意で、訪れない相手への恨みを穏やかに述べている。
のわき:秋に吹く強い風。台風
こはぎ:小さな萩。幼い子のたとえ
- 作者
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赤染衛門
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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光待つ枝にかかれる露の命 消えはてねとや春のつれなき
- 次の歌
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うつろはでしばし信太の森を見よ かへりもぞする葛の裏風