憂き身には山田のおしねおしこめて
世をひたすらに恨みわびぬる
- 歌の意味
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つらい身としては、山田の晩稲を刈り込めるように、心に押し込めて、ひたすらに世を恨み、思い悩んでいることだ。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌下 1836
詞書「題しらず」
世を恨み嘆く心を詠む歌の一首目である。つらい身は、山田の晩稲を押し込めるように思いを心に押し込めて、ひたすら世を恨み悩んでいる、と詠む。晴れることのない不遇の嘆きを、実りの遅い山田の稲に託している。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者の「俊頼朝臣」は源俊頼である。源経信の子で、『金葉和歌集』を撰び、歌論書『俊頼髄脳』を著した。
初句「憂き身には」は、つらいわが身としては、の意である。
二句「山田のおしね」は、山の田に植えた晩稲である。実りの遅い稲に、世に遅れた身が重ねられる。ここまでが序詞で、同音の「おしこめて」を導く。
三句「おしこめて」は、心に押し込めて、の意である。「おしね」と「おし」の音が重ねられている。
四句「世をひたすらに」は、世をいちずに、の意である。
結句「恨みわびぬる」は、恨み悩んでいる、の意である。連体形「ぬる」で言いさして詠嘆をこめ、晴れない不遇の嘆きを示している。
おしね:晩稲。遅く実る稲
わぶ:思い悩む。つらく思う
- 作者
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源俊頼
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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いつか我み山の里の寂しきに あるじとなりて人に問はれむ
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賤の男の朝な朝なに樵りつむる しばしのほどもありがたの世や