世の中を思ひつらねてながむれば
むなしき空に消ゆる白雲
- 歌の意味
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世の中のことをあれこれと思い連ねながら眺めていると、何もない空に白雲が消えてゆく。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌下 1846
詞書「崇徳院に百首歌たてまつりける無常歌」
無常を詠む歌の一首目である。世の中のことを次々と思い連ねながら眺めていると、むなしい空に白雲が消えてゆく、と詠む。消えてゆく白雲に、世のすべてがはかなく消えてゆく無常を見ている。詞書によれば、崇徳院に奉った百首歌の中で無常を題として詠んだ歌である。
作者の「皇太后宮大夫俊成」は藤原俊成である。藤原俊忠の子で、『千載和歌集』を撰んだ。藤原定家の父である。
初句「世の中を」は、世の中のことを、の意である。
二句「思ひつらねて」は、次々と思い連ねて、の意である。
三句「ながむれば」は、もの思いにふけって眺めると、の意である。「ば」は已然形に付く順接確定条件である。
四句「むなしき空に」は、何もない空に、の意である。仏教でいう、万物に実体がないことをも思わせる。
結句「消ゆる白雲」は、体言止めで、消えてゆく白雲の景を示す。前歌の偲ぶ心から、ここで一転して無常の景へと移り、巻末まで無常を詠む歌が続く。
おもひつらぬ:次々と思い続ける
ながむ:もの思いにふけってぼんやりと見る
- 作者
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藤原俊成
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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行く末は我をも偲ぶ人やあらむ 昔を思ふ心ならひに
- 次の歌
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暮るる間も待つべき世かはあだし野の 末葉の露に嵐立つなり