飛びかける天の岩船尋ねてぞ
秋津島には宮はじめける
- 歌の意味
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空を飛びかける天の岩船の行方を尋ねて、この秋津島に初めて宮を営んだのだ。
- 鑑賞
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巻第十九 神祇歌 1867
詞書「玉依姫」
日本紀竟宴で詠まれた歌を収める一連の三首目である。空を飛ぶ天の岩船の降りた地を尋ねて、秋津島に初めて宮を営んだと詠む歌である。詞書は題の「玉依姫」のみを記し、前歌に続いて日本紀竟宴で詠まれた歌である。神武天皇が大和に都を開いた、国の始まりを詠んでいる。
作者の三統理平は、平安時代前期の学者である。
『日本書紀』には、神武天皇が、東方に天の磐船に乗って降った者がいると聞き、その地に都を定めようと東へ向かったことが記されている。
歌は神武天皇の建国を詠んでおり、伝本の注記には実際の題を神日本磐余彦天皇とするものがある。本巻の第千八百六十五首と題が入れ替わっているとみられる。
初句「飛びかける」は、空を飛びかける、の意である。
二句「天の岩船」は、神が天から降るときに乗ったとされる、岩のように堅固な船である。前歌の「八重雲ふり分けて」と、天から降る神を詠む点で続く。
三句「尋ねてぞ」は、その行方を尋ねて、の意である。係助詞「ぞ」は結句で受ける。
四句「秋津島には」の「秋津島」は、日本国の古い呼び名である。
結句「宮はじめける」は、宮を初めて営んだ、の意で、「ぞ」を過去の助動詞「けり」の連体形「ける」で結ぶ係り結びである。国の始まりとしての宮造りを詠み、前歌の天孫降臨から神武天皇の建国へと、神代から人の代への移りを示す。
いはふね:神が天から降るときに乗ったとされる堅固な船
あきつしま:日本国の古称。もとは大和国を指す
- 作者
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三統理平
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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久方の天の八重雲ふり分けて 下りし君を我ぞ迎へし
- 次の歌
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やまとかも海に嵐の西吹かば いづれの浦にみ舟繋がん