榊葉にその言ふかひはなけれども
神に心をかけぬ間ぞなき
- 歌の意味
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榊の葉に結びつけて訴えても、言う甲斐はないけれども、神に心をかけない時はない。
- 鑑賞
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巻第十九 神祇歌 1887
詞書「八幡宮の権官にて年久しかりけることを恨みて、御神楽の夜参りて、榊に結びつけ侍りける」
諸国の社を詠む歌の二首目である。榊の葉に託して訴えても言う甲斐はないが、それでも神に心をかけない時はないと詠む歌である。詞書によれば、八幡宮の権官のまま長い年月を過ごしたことを恨み、御神楽の夜に参って榊に結びつけた歌である。昇進のかなわない嘆きを訴えつつ、神への変わらぬ信仰を示している。
作者の「法印成清」は、石清水八幡宮に仕えた僧である。法印は僧位の最上位である。
権官は、定員外に置かれた仮の官職である。
なお本文の二句は「そのいふかひは」とあり、読み仮名の行の「そのゆふかひは」と一致しない。ここでは本文の表記に従う。
初句「榊葉に」は、榊の葉に、の意である。詞書の、榊に歌を結びつけた行為に応じる。
二句「その言ふかひは」は、そう訴える甲斐は、の意である。権官のまま年を経た嘆きを訴えても、効き目はないという。
三句「なけれども」は、ないけれども、の意である。
四句「神に心を」は、神に心を、の意である。
結句「かけぬ間ぞなき」は、かけない時はない、の意で、係助詞「ぞ」を形容詞の連体形「なき」で結ぶ係り結びである。「かけ」は榊に歌を結び掛ける行為とも響く。本巻の第千八百八十四首の「かけぬ日ぞなき」と、同じ形で神に心をかけることを詠む。
ごんくわん:定員外に置かれた仮の官職。権官と書く
ほふいん:僧位の最上位。法印と書く
みかぐら:宮中や神社で行う神楽の尊称
- 作者
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成清
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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ちはやぶる香椎の宮のあや杉は 神のみそぎに立てるなりけり
- 次の歌
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年を経て憂き影をのみみたらしの 変はる世もなき身をいかにせん