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木綿四手の風に乱るる音冴えて
庭白妙に雪ぞ積もれる

歌の意味
木綿四手が風に乱れる音が冷たく冴えて、社の庭には真っ白に雪が積もっている。
鑑賞
巻第十九 神祇歌 1890

詞書「社頭雪といふ心を詠み侍りける」
 賀茂社を詠む歌の並ぶ中に置かれた、社頭の雪を詠む歌である。木綿四手が風に乱れる音が冴えわたり、社の庭には雪が真っ白に積もっていると詠む。詞書によれば、「社頭雪」、社前の雪を題に詠んだ歌である。音の冴えと雪の白さとで、冬の神域の清らかさを描いている。
 作者の「按察使公通」は藤原公通である。西園寺通季の子で、按察使をつとめた。

 初句「木綿四手の」は、榊や注連縄に下げる木綿の四手の、の意である。
 二句「風に乱るる」は、風に乱れる、の意である。
 三句「音冴えて」は、音が冷たく澄んで聞こえて、の意である。冬の寒気を、目に見える景より先に音でとらえる。
 四句「庭白妙に」は、社の庭が真っ白に、の意である。「白妙」は白い布、転じて白い色をいう。
 結句「雪ぞ積もれる」は、雪が積もっている、の意で、係助詞「ぞ」を存続の助動詞「り」の連体形「る」で結ぶ係り結びである。前歌の「月冴ゆる」と「冴ゆ」の語を共有し、冬の神域の冷え冷えとした景が続く。

ゆふしで:木綿で作った四手。榊や注連縄に下げる
しろたへ:白い布。転じて白い色
作者
藤原公通
出典
新古今和歌集
前の歌
月冴ゆる御手洗川に影見えて 氷に摺れる山藍の袖
次の歌
君を祈る心の色を人問はば ただすの宮の朱の玉垣