- 歌の意味
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君のために祈る私の心の色はどうかと人が問うならば、それは糺の宮の朱の玉垣の色だ。
- 鑑賞
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巻第十九 神祇歌 1891
詞書「十首歌合の中に、神祇をよめる」
賀茂社を詠む一連の四首目である。君の御代を祈る心の色を人が問うならば、糺の宮の朱の玉垣の色だと答えるように詠む歌である。詞書によれば、十首歌合で神祇を題に詠んだ歌である。朱の玉垣の鮮やかな赤に、偽りのない真心を託している。
作者の「前大僧正慈円」は、藤原忠通の子で、九条兼実の弟にあたる。天台座主を四度つとめ、歴史書『愚管抄』を著した。
糺の宮は、賀茂御祖神社、いわゆる下鴨社をいう。社の森は糺の森と呼ばれる。
初句「君を祈る」は、君のために祈る、の意である。六音の字余りである。「君」は天皇を指す。
二句「心の色を」は、心のありさまを色にたとえていう。
三句「人問はば」は、人が尋ねるならば、の意である。未然形に「ば」が付く仮定である。
四句「ただすの宮の」の「ただす」は、糺の宮の名と、問い「ただす」とを掛ける掛詞である。三句の「問はば」を受けて、問いただされる心の色を示す。
結句「朱の玉垣」は、朱塗りの美しい垣で、体言止めである。朱の色で真心、すなわち赤心を表す。前歌の「庭白妙に」の白に対し、本歌は朱の色を置き、社頭の色彩が白から赤へと転じる。
ただす:糺の宮の名と、問い「ただす」意を掛ける
たまがき:神社の周囲の垣の美称
あけ:赤い色、朱色
- 作者
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慈円
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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木綿四手の風に乱るる音冴えて 庭白妙に雪ぞ積もれる
- 次の歌
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跡垂れし神にあふひのなかりせば 何に頼みをかけて過ぎまし