大御田のうるおふばかりせきかけて
井堰に落とせ川上の神
- 歌の意味
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大御田が潤うほどに水をせき止めて、井堰に流し落としてください、川上の神よ。
- 鑑賞
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巻第十九 神祇歌 1893
詞書「社司ども貴船に参りて、雨乞ひし侍りけるついでに詠める」
賀茂社を詠む一連の六首目である。大御田が潤うほどに水をせき止めて井堰に落としてほしいと、川上の神に願う歌である。詞書によれば、賀茂社の神職たちが貴船に参って雨乞いをした折に詠んだ歌である。日照りに苦しむ田のために、水の神に恵みの水を求めている。
作者の賀茂幸平は、賀茂社に仕えた神職である。
貴船は賀茂川の上流にある貴船神社で、水をつかさどる神として雨乞いや止雨の祈りが捧げられた。
初句「大御田の」は、田を尊んでいう語である。
二句「うるおふばかり」は、潤うほどに、の意である。
三句「せきかけて」は、水をせき止めて流し入れて、の意である。
四句「井堰に落とせ」は、井堰に流し落とせ、の意で、命令形で神に呼びかける。ここで切れる四句切れである。
結句「川上の神」は、賀茂川の上流に鎮まる貴船の神への呼びかけで、体言止めである。倒置の形で、呼びかける相手を最後に置く。前歌までの賀茂の祭りから、同じ賀茂の神職による水の神への祈りへと移る。
おほみた:田の尊称
ゐせき:田に水を引くために川をせき止めた所
せきかく:水をせき止めて流し入れる
あまごひ:日照りのときに雨が降るよう神に祈ること
- 作者
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賀茂幸平
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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跡垂れし神にあふひのなかりせば 何に頼みをかけて過ぎまし
- 次の歌
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石川の瀬見の小川の清ければ 月も流れを尋ねてぞすむ