- 歌の意味
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万代までの繁栄を祈りをこめて掛ける木綿襷よ。春日山の峰を吹く嵐の中で。
- 鑑賞
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巻第十九 神祇歌 1895
詞書「弁に侍りける時、春日祭に下りて、周防内侍につかはしける」
春日社を詠む一連の一首目である。春日山の峰の嵐の中、万代の繁栄を祈って木綿襷を掛けると詠む歌である。詞書によれば、作者が弁官であったとき、春日祭のために奈良に下り、周防内侍に送った歌である。祭りに奉仕する身の祈りの真剣さを、都の知人に伝えている。
作者の「中納言資仲」は藤原資仲である。藤原資平の子で、権中納言に至った。
春日祭は奈良の春日社の祭りで、二月と十一月の上の申の日に行われ、朝廷から使いが遣わされた。周防内侍は後冷泉天皇から堀河天皇までの宮廷に仕えた女房歌人である。
初句「万代を」は、万代までの繁栄を、の意である。
二句「祈りぞかくる」の「かくる」は、祈りを「かける」と、襷を「掛ける」とを掛ける掛詞である。係助詞「ぞ」を連体形「かくる」で結ぶ係り結びである。
三句「木綿襷」は、神事に仕える者が掛ける木綿の襷である。二句の「かくる」の目的語が後に置かれる倒置の形である。本巻の第千八百七十首の「木綿襷」と、祭りに奉仕する装いを詠む点で通う。
四句「春日の山の」は、春日社の背後にそびえる春日山である。前歌までの賀茂から、春日の社へと移る。
結句「峰の嵐に」は、峰を吹く激しい風の中で、の意である。寒い季節の春日祭の中での祈りを示す。
かく:祈りを「かける」意と、襷を「掛ける」意を掛ける
べん:太政官で文書の処理にあたる官。弁官
- 作者
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藤原資仲
- 出典
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新古今和歌集
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石川の瀬見の小川の清ければ 月も流れを尋ねてぞすむ
- 次の歌
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今日祭る神の心やなびくらん 四手に波立つ佐保の川風