咲きにほふ花のけしきを見るからに
神の心ぞそらに知らるる
- 歌の意味
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美しく咲き匂う花のありさまを見るとすぐに、神の御心が、空を仰ぐように自然と知られることだ。
- 鑑賞
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巻第十九 神祇歌 1906
詞書「熊野へ詣で給ひける時、道に花の盛りなりけるを御覧じて」
熊野を詠む一連の一首目である。咲き匂う花のありさまを見るとすぐに、神の御心がおのずと知られると詠む歌である。詞書によれば、熊野へ参詣したとき、道に花が盛りに咲いているのを見て詠んだ歌である。道中の花の美しさに、参詣を喜び迎える神の心を感じ取っている。
作者の「白河院御歌」は、後三条天皇の皇子の白河天皇で、譲位ののち院政を始めた。熊野へたびたび参詣した。
熊野は紀伊国にあり、本宮、新宮、那智の三山からなる霊場で、平安時代後期には上皇や貴族の参詣が盛んであった。
初句「咲きにほふ」は、美しく咲き映える、の意である。
二句「花のけしきを」は、花のありさまを、の意である。
三句「見るからに」は、見るとすぐに、の意である。
四句「神の心ぞ」は、神の御心が、の意で、係助詞「ぞ」は結句で受ける。
結句「そらに知らるる」の「そらに」は、花の咲く「空」と、おのずと推し量られる意の「そらに」とを掛ける掛詞である。「ぞ」を自発の助動詞「る」の連体形「るる」で結ぶ係り結びである。前歌までの日吉、北野から、熊野へと移る。
そらに:花の咲く「空」の意と、おのずと推し量られる意の「そらに」を掛ける
けしき:ありさま、様子
- 作者
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白河院
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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覚めぬれば思ひ合はせて音をぞ泣く 心つくしの古の夢
- 次の歌
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岩にむす苔踏みならすみ熊野の 山のかひある行く末もがな