さらぬだに重きが上に小夜衣
わがつまならぬつまな重ねそ
- 歌の意味
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そうでなくてさえ罪の重い身の上に、夜の衣の褄を重ねるように、自分の妻ではない女と契りを重ねてはならない。
- 鑑賞
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巻第二十 釈教歌 1963
詞書「不邪婬戒」
十戒を詠む一連の三首目である。そうでなくても重い身の上に、夜の衣の褄を重ねるように、自分の妻でない者と契りを重ねるなと戒める歌である。詞書は、十戒のうちの不邪婬戒を題とする。
罪を重ねることを、夜の衣を重ねることにたとえ、道ならぬ契りを戒めている。
作者名は原文になく、前歌に続いて寂然法師の歌である。寂然法師は、俗名を藤原頼業といい、藤原為忠の子である。兄の寂念、寂超とともに大原に隠棲し、大原三寂と呼ばれた。西行と親しく交わった。
不邪婬戒は、道にはずれた男女の交わりを禁じる戒めである。
初句「さらぬだに」は、そうでなくてさえ、の意で、副助詞「だに」が軽いものを挙げて重いものを類推させる。
二句「重きが上に」は、重い身の上に、の意で、衣の重さに、人がもともと負っている罪の重さを重ねている。
三句「小夜衣」は、夜寝るときに着る衣で、共寝を思わせ、下の句の「重ね」を導く。
四句「わがつまならぬ」の「つま」は、衣の「褄」の意と、「妻」の意を掛ける掛詞である。
結句「つまな重ねそ」は、「な…そ」の禁止の形で、重ねるな、と戒める。四句と同じく「つま」は「褄」と「妻」を掛け、「重き」「小夜衣」「褄」「重ね」は縁語である。
さよごろも:夜寝るときに着る衣
つま:衣の「褄」の意と、「妻」の意を掛ける
- 作者
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寂然
- 出典
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新古今和歌集
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浮草の一葉なりとも磯がくれ 思ひなかけそ沖つ白波
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