別れてふことは色にもあらなくに
心にしみてわびしかるらむ
- 歌の意味
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別れというものは色でもないのに、どうして心に染みこんで、これほどわびしいのだろうか。
- 鑑賞
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巻第八 離別歌 381
詞書「人を別れける時に詠みける」
別れは色ではないのに、なぜ染め物のように心に染みてわびしいのかと、別れの悲しみを色になぞらえて問う歌である。目に見えない感情を「色」「しむ」という染色の言葉でとらえた、理知的な表現である。
作者の「つらゆき」は紀貫之である。『古今和歌集』の撰者の一人で、仮名序を書いた。
初句「別れてふ」は、「てふ」が「といふ」のつまった形で、別れというものを抽象的な対象として取り上げる。
二句「ことは色にも」は、「色」が色彩の意で、係助詞「も」で色でさえないことを示す。
三句「あらなくに」は、「なくに」が〜ないのにの意で、逆接の含みをもって下の句の問いへつなぐ。
四句「心にしみて」は、「しむ」が色が染みる意で、二句の「色」と縁語をなす。
結句「わびしかるらむ」は、原因推量の「らむ」で、なぜこれほどわびしいのだろうかと理由をいぶかる。
しむ:色が染みこむ。ここでは心に深く感じる意
- 作者
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紀貫之
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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白雲の八重に重なるをちにても 思はむ人に心隔つな
- 次の歌
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かへる山何ぞはありてあるかひは 来てもとまらぬ名にこそありけれ