よそにのみ恋ひやわたらむ白山の
雪見るべくもあらぬ我が身は
- 歌の意味
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遠く離れたところで恋しく思い続けるばかりなのだろうか、越の白山の雪を見ることなどできそうにもない、この私の身は。
- 鑑賞
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巻第八 離別歌 383
詞書「越の国へまかりける人に詠みて遣はしける」
越の国へ下る人に、白山の雪を見に行けるはずもない自分は、遠くから恋い続けるほかないのだろうかと贈った歌である。旅立つ人の行き先の名所を思い描きつつ、そこへ行けない身の隔たりを嘆いている。
作者の「凡河内みつね」は凡河内躬恒である。『古今和歌集』の撰者の一人である。
初句「よそにのみ」は、遠く離れた所での意で、限定の「のみ」で隔たったまま思うしかないことを示す。
二句「恋ひやわたらむ」は、係助詞「や」と推量の「む」の係り結びで、恋い続けるのだろうかと嘆き、ここで句切れとなる二句切れである。
三句「白山の」は、越の国の歌枕である白山を詠む。本巻の第三百九十一首「越の白山」と同じ山を詠み、一方は見に行けない嘆き、他方は雪をたどって跡を尋ねる意志と、対照的な態度を示す。
四句「雪見るべくも」は、可能の「べし」に係助詞「も」が加わり、見ることもできそうにないとする。
結句「あらぬ我が身は」は、二句の嘆きの主体を倒置して示し、「我が身は」で言いさして余韻を残す。
こひわたる:恋い続ける
しらやま:加賀と越前の境にある白山。越の国の歌枕
- 作者
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凡河内躬恒
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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かへる山何ぞはありてあるかひは 来てもとまらぬ名にこそありけれ
- 次の歌
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音羽山木高く鳴きてほととぎす 君が別れを惜しむべらなり