別るれど嬉しくもあるか今宵より
相見ぬ先に何を恋ひまし
- 歌の意味
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別れるけれど、うれしくもあることだ。今夜お会いするより前には、いったい何を恋しく思えばよかったのだろうか。
- 鑑賞
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巻第八 離別歌 399
詞書「兼覧王に初めて物語して、別れける時に詠める」
兼覧王と初めて語り合い、別れる時に詠まれた歌である。別れは悲しいが、今夜出会えたことで恋しく思う相手ができたのがうれしい、会う前には何を恋しく思えばよかったのかと、出会いの喜びを別れの場で逆説的に述べている。
作者の「みつね」は凡河内躬恒である。『古今和歌集』の撰者の一人である。
初句「別るれど」は、逆接の「ど」で、別れの悲しみを受けながら喜びへ転じる。別れを悲しまず、うれしいと言う点で、本巻の中でも特異な趣向の歌である。
二句「嬉しくもあるか」は、詠嘆の「か」で、うれしいことだと感じ入り、ここで句切れとなる二句切れである。
三句「今宵より」は、「より」が比較を表し、今夜会うより前の意で四句へ続く。
四句「相見ぬ先に」は、互いに会う前にの意で、出会い以前の時を示す。前の第三百九十七首、第三百九十八首に続き、兼覧王をめぐる歌が三首並ぶ。
結句「何を恋ひまし」は、ためらいの意を含む「まし」で、何を恋しく思えばよかったのかと、会う前の心の空しさを振り返る。
ものがたり:語り合うこと、話をすること
あひみる:互いに会う、対面する
- 作者
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凡河内躬恒
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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惜しむらむ人の心を知らぬ間に 秋の時雨と身ぞふりにける
- 次の歌
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飽かずして別るる袖の白玉を 君が形見と包みてぞ行く