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み吉野の吉野の滝に浮かびいづる
泡をかたまの消ゆと見つらむ

歌の意味
吉野の滝に浮かび出る泡を、人は玉が消えるのだと見たのだろうか。
鑑賞
巻第十 物名 431

詞書「をがたまの木」
 吉野の滝に浮かび出る泡を、人は玉が消えるのだと見たのだろうか、と詠む歌である。四句の「泡をかたまの」から結句の「消ゆ」の頭にかけての「をかたまのき」に題の「をがたまの木」を詠み込んでいる。をがたまの木は、古今伝授で秘説とされた三木の一つに数えられ、本巻の第四百四十五首の「めどにけづり花」、第四百四十九首の「かはなぐさ」とともに、その解釈が重んじられてきた。
 作者の「とものり」は紀友則である。紀貫之の従兄で、古今和歌集の撰者の一人であったが、完成を見ずに没した。三十六歌仙の一人である。

 初句「み吉野の」の「み」は美称の接頭語で、吉野をほめていう。
 二句「吉野の滝に」は初句の「吉野」を重ね、調べを整えるとともに、名高い吉野の滝を印象づける。
 三句「浮かびいづる」は、浮かび出る、の意で、滝つぼに次々と生まれる泡のさまを描く。
 四句「泡をかたまの」の「か」は疑問の係助詞で、泡を玉が、の意である。「をかたまの」から結句の「き」にかけて題の「をがたまのき」が隠されている。
 結句「消ゆと見つらむ」の「らむ」は「か」を受けた連体形の結びで、玉が消えるのだと見たのだろうか、と推し量る。

をがたまのき:「泡をかたまの消ゆ」にまたがって詠み込まれた題で、古今伝授の三木の一つに数えられる木
作者
紀友則
出典
古今和歌集
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あしひきの山たちはなれ行く雲の 宿り定めぬ世にこそありけれ
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