空蝉のからは木ごとにとどむれど
魂のゆくへを見ぬぞ悲しき
- 歌の意味
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蝉の抜け殻は木ごとに残しているけれど、抜け出た魂の行方が見えないのが悲しい。
- 鑑賞
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巻第十 物名 448
詞書「唐萩」
蝉の抜け殻は木ごとに残しているけれど、抜け出た魂の行方がわからないのが悲しい、と詠む歌である。二句の「からは木ごとに」に題の「からはぎ(唐萩)」を詠み込んでいる。抜け殻だけを残して去った蝉の魂の行方を思う哀傷の心が詠まれている。「空蝉」を詠む点で、本巻の第四百二十四首、第四百二十五首や第四百四十三首と通い合う。
作者は「よみ人しらず」で、名は伝わらない。
初句「空蝉の」は蝉の抜け殻をいい、ここでは枕詞ではなく実景として用いられている。
二句「からは木ごとに」は「殻は木ごとに」で、抜け殻は木ごとに、の意である。「からはき」に題の「からはぎ」が隠されている。
三句「とどむれど」は、とどめているけれども、の意で、逆接で下の句へ続ける。
四句「魂のゆくへを」は、抜け出た魂の行き先を、の意で、蝉の命と魂を思いやる。
結句「見ぬぞ悲しき」は「ぞ」を受けて連体形「悲しき」で結び、行方を見届けられない悲しみを表す。
うつせみ:蝉の抜け殻
とどむ:あとに残す
からはぎ:「からは木ごとに」の中に詠み込まれた題で、唐萩をいう
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
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ほととぎす峰の雲にやまじりにし ありとは聞けど見るよしもなき
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