さ夜ふけてなかばたけゆく久方の
月吹き返せ秋の山風
- 歌の意味
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夜が更けて、中天を過ぎて傾いていく月を、吹き返しておくれ、秋の山風よ。
- 鑑賞
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巻第十 物名 452
詞書「川竹」
夜が更けて、中天を過ぎて傾いていく月を、吹き返してくれ、秋の山風よ、と詠む歌である。二句の「なかばたけゆく」に題の「かはたけ(川竹)」を詠み込んでいる。沈みゆく月を惜しみ、風に呼びかけて押し戻させようとする奇抜な発想の歌で、前歌の「にがたけ」に続いて竹の名が並ぶ。
作者の「かけのりのおほきみ」は景式王である。平安時代前期の皇族とみられるが、系譜の詳細は明らかでない。
初句「さ夜ふけて」の「さ」は接頭語で、夜が更けて、の意である。
二句「なかばたけゆく」は「半ば闌けゆく」で、月が中天を過ぎて傾いていく、の意である。「なかばたけ」の中に題の「かはたけ」が隠されている。
三句「久方の」は天や月などにかかる枕詞で、ここでは「月」にかかる。
四句「月吹き返せ」は命令形で、沈みゆく月を吹き戻せ、と山風に呼びかける。ここで句切れとなる。
結句「秋の山風」は呼びかけの対象を体言で示して結ぶ。
たく:盛りを過ぎる、月が傾く
かはたけ:川辺に生える竹、「なかばたけゆく」の中に詠み込まれる
- 作者
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景式王
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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命とて露を頼むにかたければ 物わびしらに鳴く野辺の虫
- 次の歌
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煙たち燃ゆとも見えぬ草の葉を 誰かわらびと名づけそめけむ