うばたまのわが黒かみやかはるらむ
鏡の影に降れる白雪
- 歌の意味
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私のぬばたまの黒髪は、変わってしまったのだろうか。鏡に映った姿に、白雪が降り積もっている。
- 鑑賞
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巻第十 物名 460
詞書「紙屋川」
私の黒髪は変わってしまったのだろうか、鏡に映った姿に降り積もった白雪よ、と詠む歌である。二句から三句にかけての「かみやかは」に題の「紙屋川」を詠み込んでいる。紙屋川は京の北野を流れる川である。白髪を雪に見立てて老いを嘆く歌で、ここから川の名を題とする歌が続く。
作者の「つらゆき」は紀貫之である。紀望行の子で、古今和歌集の撰者の中心となり、仮名序を執筆した。『土佐日記』の作者としても知られる。
初句「うばたまの」は「黒」にかかる枕詞で、黒髪の黒さを強める。
二句「わが黒かみや」は、わが黒髪が、の意で、「や」は疑問の係助詞である。「かみや」から題の語が始まる。
三句「かはるらむ」は「や」を受けて連体形「らむ」で結び、変わってしまったのだろうか、と推し量る。二句と合わせた「かみやかは」に題の「紙屋川」が隠されている。ここで句切れとなる。
四句「鏡の影に」は、鏡に映った姿に、の意である。
結句「降れる白雪」は体言止めで、白髪を降り積もった雪に見立てて結ぶ。
かげ:姿、鏡などに映った像
かみやがは:「わが黒かみやかはるらむ」にまたがって詠み込まれた題で、京の北野を流れる紙屋川をいう
- 作者
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紀貫之
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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波の花沖からさきて散り来めり 水の春とは風やなるらむ
- 次の歌
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あしひきの山辺にをれば白雲の いかにせよとかはるる時なき