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のちまきのおくれて生ふる苗なれど
あだにはならぬたのみとぞ聞く

歌の意味
後から蒔いて遅れて生えてくる苗ではあるが、無駄にはならない頼み、実りをもたらす田の実だと聞いている。
鑑賞
巻第十 物名 467

詞書「粽」
 後から蒔いて遅れて生える苗ではあるが、無駄にはならない頼み、すなわち田の実だと聞く、と詠む歌である。初句の「のちまき」に題の「ちまき(粽)」を詠み込んでいる。遅れて芽を出した苗にも実りの望みがあるという心を、「たのみ」の掛詞によって表している。
 作者の「大江千里」は大江音人の子である。漢学に通じ、漢詩の句を題として和歌を詠んだ『句題和歌』で知られる。

 初句「のちまきの」は「後蒔きの」で、後から種を蒔いた、の意である。「ちまき」に題の「粽」が隠されている。
 二句「おくれて生ふる」は、遅れて生える、の意である。
 三句「苗なれど」は、苗ではあるけれども、の意で、逆接で下の句へ続ける。
 四句「あだにはならぬ」は、無駄にはならない、の意である。
 結句「たのみとぞ聞く」は、「たのみ」に「頼み」と「田の実」を掛け、「ぞ」を受けて連体形「聞く」で結ぶ。

のちまき:時期に遅れて種を蒔くこと
たのみ:「頼み」の意と、稲の実である「田の実」を掛ける
ちまき:「のちまき」の中に詠み込まれた題で、粽をいう
作者
大江千里
出典
古今和歌集
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流れいづる方だに見えぬ涙川 おきひむ時や底は知られむ
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花のなかめに飽くやとて分け行けば 心ぞともに散りぬべらなる