片糸をこなたかなたに縒りかけて
あはずは何を玉の緒にせむ
- 歌の意味
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片糸をこちらとあちらから縒り合わせるように、互いに寄り添って逢うことがなかったら、いったい何を命をつなぐ玉の緒にすればよいのか。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌一 483
詞書「題しらず」
二本の片糸を縒り合わせて一本の糸にすることに、男女が心を寄せ合って逢うことを重ねた歌である。糸を縒り合わせなければ玉を貫く緒にならないように、二人が逢わなければ命をつなぐものがないと訴えている。糸の縁語を連ねた構成で、恋の成就を切実に願う気持ちが表されている。
初句「片糸を」の「片糸」は、縒り合わせる前の一本の糸のことで、ひとり身の恋する者を暗示している。
二句「こなたかなたに」は、こちらとあちらにの意で、二人がそれぞれの側から心を寄せることを表す。
三句「縒りかけて」は、糸を縒り合わせての意で、心を寄せ合うことを重ねている。
四句「あはずは何を」の「あは」は、糸が「合は」と、人が「逢は」を掛けた掛詞である。「ずは」は、もし〜ないならばの意である。
結句「玉の緒にせむ」の「玉の緒」は、玉を貫く緒の意と、命の意を重ねている。「片糸」「縒る」「合ふ」「緒」は糸の縁語で、一首全体を糸のイメージで統一している。
かたいと:縒り合わせる前の一本の糸
よる:糸をねじり合わせる
あふ:糸が合う意と、人が逢う意を掛ける
たまのを:玉を貫く緒。転じて命
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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逢ふことは雲居はるかになる神の 音に聞きつつ恋ひわたるかな
- 次の歌
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夕暮れは雲のはたてに物ぞ思ふ 天つ空なる人を恋ふとて