夕月夜さすや岡辺の松の葉の
いつともわかぬ恋もするかな
- 歌の意味
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夕月の光が差す岡のあたりの松の葉が、季節を問わずいつも変わらず緑であるように、いつと区別もつかない、絶え間ない恋をすることだ。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌一 490
詞書「題しらず」
夕月の光が差す丘の松の葉を序とし、いつと区切りもなく続く恋を詠んだ歌である。常緑の松の葉が季節によって色を変えないように、自分の恋も時を選ばず続いていると表している。夕月の淡い光に照らされた松の景が、静かで絶え間ない恋心を象徴している。
初句「夕月夜」は、夕方に出ている月、またその月の出ている夜をいう。
二句「さすや岡辺の」の「さす」は月の光が差すの意で、「や」は詠嘆の間投助詞である。
三句「松の葉の」は、常緑で季節を問わず色の変わらない松の葉のことで、初句からここまでが四句の「いつともわかぬ」を導く序詞である。
四句「いつともわかぬ」は、いつと区別がつかないの意で、松の葉の常緑と、時を選ばず続く恋を重ねている。
結句「恋もするかな」は、巻頭の第四百六十九首と同じ結句で、本巻の第四百九十八首も同じ結句で結ばれている。
ゆふづくよ:夕方に出ている月。また、その月の出ている夜
をかべ:岡のあたり
わく:区別する
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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駿河なる田子の浦波立たぬ日は あれども君を恋ひぬ日はなし
- 次の歌
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葦引の山下水の木隠れて たぎつ心をせきぞかねつる