秋の野の尾花にまじり咲く花の
色にや恋ひむ逢ふよしをなみ
- 歌の意味
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秋の野のすすきの穂に混じって咲く花の色のように、思いを表に出して恋い慕おうか。逢う手立てがないので。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌一 497
詞書「題しらず」
逢う手立てもないまま、いっそ思いを表に出して恋い慕おうかと思い迷う歌である。秋の野のすすきに混じって咲く草花の色を序とし、隠しきれず表にこぼれ出る恋心を重ねている。前歌の紅花の強い色に対し、すすきの穂に紛れて咲く花の控えめな色が、ためらいを帯びた恋を表している。
初句「秋の野の」は、秋の野原のの意で、秋の景を示す。
二句「尾花にまじり」の「尾花」は、すすきの穂のことである。
三句「咲く花の」は、咲いている草花のの意で、初句からここまでが四句の「色」を導く序詞である。
四句「色にや恋ひむ」は、表に出して恋い慕おうかの意で、「や」は係助詞で疑問を表し、「む」と係り結びをなす。前歌の第四百九十六首「色に出でなむ」の決意を受け、こちらはためらいを残した問いかけになっている。
結句「逢ふよしをなみ」は、逢う手立てがないのでの意である。「〜を〜み」の形で原因や理由を表し、四句の理由を後から示す倒置の構成になっている。
をばな:すすきの穂
よし:手立て、方法
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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人知れず思へば苦し紅の 末摘花の色に出でなむ
- 次の歌
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わが園の梅のほつえに鶯の 音になきぬべき恋もするかな