わが園の梅のほつえに鶯の
音になきぬべき恋もするかな
- 歌の意味
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わが家の庭の梅の上の枝で鶯が声をあげて鳴くように、私も声をあげて泣いてしまいそうな恋をすることだ。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌一 498
詞書「題しらず」
庭の梅の梢で鳴く鶯の声を序とし、声をあげて泣いてしまいそうなほどの恋を詠んだ歌である。春の明るい景物である鶯の鳴き声を、恋に泣く自分の声へと転じている。鳥の「鳴く」と人の「泣く」を重ねる趣向は、次歌の第四百九十九首にも受け継がれている。
初句「わが園の」は、自分の家の庭のの意である。
二句「梅のほつえに」の「ほつえ」は、上の方の枝、梢のことである。
三句「鶯の」は、春を告げる鳥で、初句からここまでが四句の「音になく」を導く序詞である。
四句「音になきぬべき」の「なき」は、鶯が「鳴き」と、人が「泣き」を掛けた掛詞である。「音になく」は声をあげて鳴く、泣くの意で、「ぬべき」は、きっと〜してしまいそうなの意である。
結句「恋もするかな」は、巻頭の第四百六十九首、本巻の第四百九十首と同じ結句である。巻頭の郭公に対して本歌では鶯と、鳥の声を序とする点でも巻頭歌と呼応している。
ほつえ:上の方の枝、梢
なく:鳥が鳴く意と、人が泣く意を掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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秋の野の尾花にまじり咲く花の 色にや恋ひむ逢ふよしをなみ
- 次の歌
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あしひきの山郭公わがごとや 君に恋ひつつ寝ねがてにする