あしひきの山郭公わがごとや
君に恋ひつつ寝ねがてにする
- 歌の意味
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山のほととぎすよ、お前も私と同じように、誰かを恋い慕いながら眠れずに鳴いているのか。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌一 499
詞書「題しらず」
夜更けに鳴き続ける山のほととぎすに、恋しさで眠れない自分の姿を重ねて問いかける歌である。夜も鳴くほととぎすを、恋に眠れぬ者に見立てた発想で、自然の景物に自分の心を投影している。前歌の鶯に続いて鳥の声を詠み、巻頭歌の郭公とも響き合っている。
初句「あしひきの」は「山」にかかる枕詞である。
二句「山郭公」は、山にすむほととぎすのことである。巻頭の第四百六十九首の初句「郭公」と鳥の名を共有し、巻頭歌では恋の始まりを告げた鳥が、ここでは眠れぬ恋の友として詠まれている。
三句「わがごとや」は、私のようにの意で、「や」は係助詞で疑問を表し、結句の連体形「する」と係り結びをなす。
四句「君に恋ひつつ」は、あの人を恋い慕いながらの意である。
結句「寝ねがてにする」の「いね」は寝ること、「がてに」は〜しかねるの意で、眠れずにいるのかの意となる。
あしひきの:「山」にかかる枕詞
いぬ:寝る、眠る
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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わが園の梅のほつえに鶯の 音になきぬべき恋もするかな
- 次の歌
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夏なれば宿にふすぶる蚊遣火の いつまでわが身下燃えをせむ