宵々に枕定めむ方もなし
いかに寝し夜か夢に見えけむ
- 歌の意味
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毎晩毎晩、枕をどちらに向けて寝たらよいのかわからない。いったいどのように寝た夜に、あの人が夢に現れたのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌一 516
詞書「題しらず」
かつて恋しい人が夢に現れた夜、自分がどのように寝ていたのかを思い出せず、毎夜枕の向きを定めかねていると詠む歌である。枕の置き方によって恋人を夢に見ることができるという俗信を踏まえ、夢でもう一度逢いたいという切ない願いを表している。本巻の後半に続く夢の歌の先駆けとなる一首である。
初句「宵々に」は、毎晩毎晩の意である。
二句「枕定めむ」は、枕の向きを定めようとの意で、枕の置き方によって夢に見る人が決まるという俗信を踏まえている。
三句「方もなし」は、方法もない、方向もわからないの意で、三句で切れる。
四句「いかに寝し夜か」は、どのように寝た夜にの意で、「か」は係助詞で疑問を表し、結句の連体形「けむ」と係り結びをなす。
結句「夢に見えけむ」は、夢に現れたのだろうかの意で、「けむ」は過去の事柄を推量する助動詞である。本巻の第五百二十五首も「寝む方もなし」と、同じく夢に逢う恋のもどかしさを詠んでいる。
よひよひ:毎晩毎晩
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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唐衣ひも夕暮れになる時は 返す返すぞ人は恋しき
- 次の歌
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恋しきに命を替ふるものならば 死にはやすくぞあるべかりける