つれもなき人を恋ふとて山彦の
こたへするまで嘆きつるかな
- 歌の意味
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冷たい人を恋い慕うというので、山彦がこだまを返すほどまでに、大きな声で嘆いたことだ。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌一 521
詞書「題しらず」
冷淡な相手を恋うあまり、山彦がこだまを返すほど声をあげて嘆いたと詠む歌である。相手からは何の応えもないのに、山彦だけが応えてくれるという皮肉が込められている。誇張した表現で、報われない恋の嘆きの大きさを印象づけている。
初句「つれもなき」は、冷淡な、そっけないの意である。本巻の第四百八十六首も同じ「つれもなき人を」の句で始まる。
二句「人を恋ふとて」は、人を恋い慕うというのでの意である。
三句「山彦の」は、山で声が反響するこだまのことで、山の神の応える声と考えられた。本巻の第五百三十九首も山彦を詠み、応えぬ山はないと恋の呼び声を託している。
四句「こたへするまで」は、応えるほどまでの意で、つれない相手は応えないのに、山彦だけは応えるという対比を含んでいる。
結句「嘆きつるかな」は、嘆いたことだの意で、「かな」は詠嘆の終助詞である。
やまびこ:山で声が反響するこだま
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
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来む世にもはやなりななむ目の前に つれなき人を昔と思はむ
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行く水に数書くよりもはかなきは 思はぬ人を思ふなりけり