- 歌の意味
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飛ぶ鳥の声さえ聞こえない奥山のように深い私の心を、あの人は知ってほしい。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌一 535
詞書「題しらず」
鳥の声も届かないほど人里離れた奥山の深さに、自分の恋心の深さをたとえた歌である。静まりかえった山奥の景が、誰にも知られずに秘めてきた思いの深さと孤独を象徴している。その深い心をせめて相手にだけは知ってほしいという願いが、素朴に表されている。
初句「飛ぶ鳥の」は、空を飛ぶ鳥のの意である。
二句「声も聞こえぬ」は、鳴き声さえ聞こえないの意で、人里から遠く離れた静けさを示している。
三句「奥山の」は、人里離れた深い山のことで、初句からここまでが四句の「深き」を導く序詞である。本巻巻末の第五百五十一首も「奥山の」で始まっている。
四句「深き心を」は、深い心をの意で、山の深さと恋心の深さを重ねている。本巻の第五百三十八首も「深き心を」と同じ句を用い、深い恋心を知る人がいない嘆きを詠んでいる。
結句「人は知らなむ」の「なむ」は、他に対する願望を表す終助詞で、あの人は知ってほしいの意である。
おくやま:人里離れた深い山
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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人知れぬおもひを常にするがなる 富士の山こそわが身なりけれ
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逢坂の木綿付け鳥もわがごとく 人や恋しき音のみ泣くらむ