- 歌の意味
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逢坂の関に流れる岩清水の「いは」ではないが、口に出しては言わず、心の中で思い続けている。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌一 537
詞書「題しらず」
逢坂の関に湧く岩清水を序とし、口に出さずに心の中で思い続ける忍ぶ恋を詠んだ歌である。「岩清水」から同じ音の「言はで」を導き、岩の間を静かに流れる清水に、表に出さずに秘めた清らかな恋心を重ねている。
初句「逢坂の」は、前歌の第五百三十六首と同じ初句で、逢坂を詠む歌が二首並んでいる。
二句「関に流るる」は、逢坂の関に流れているの意である。
三句「岩清水」は、岩の間から湧き出る清らかな水で、同じ音の繰り返しで四句の「いはで」を導いている。初句からここまでが序詞である。
四句「いはで心に」は、口に出して言わずに心の中での意である。本巻の第四百九十五首も「岩つつじ」から「いはねば」を導く同じ趣向の歌である。
結句「思ひこそすれ」は、思い続けているの意で、「こそ」は係助詞で「すれ」と係り結びをなす。
いはしみづ:岩の間から湧き出る清らかな水
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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逢坂の木綿付け鳥もわがごとく 人や恋しき音のみ泣くらむ
- 次の歌
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浮草の上は茂れる淵なれや 深き心を知る人のなき