よそにして恋ふれば苦し入れ紐の
同じ心にいざ結びてむ
- 歌の意味
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離れたままで恋い慕っているのは苦しい。入れ紐を結び合わせるように、同じ心になって、さあ契りを結んでしまおう。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌一 541
詞書「題しらず」
遠く離れたまま恋い慕うのは苦しいので、入れ紐を結び合わせるように、二人で心を一つにして契りを結ぼうと呼びかける歌である。衣の紐の結び目を二人の心の結びつきにたとえ、恋の成就を積極的に求める心情が表されている。
初句「よそにして」は、離れたままでの意である。
二句「恋ふれば苦し」は、恋い慕っていると苦しいの意で、二句で切れる。
三句「入れ紐の」は、衣の一方の輪になった紐に、もう一方の紐を差し入れて結ぶ紐のことで、二つが一つに結ばれることから四句の「同じ」を導いている。本巻の第五百七首の「下紐」も、紐に恋を託している。
四句「同じ心に」は、二人が同じ心にの意である。
結句「いざ結びてむ」は、さあ結んでしまおうの意で、「て」は完了の助動詞「つ」の未然形、「む」は意志を表す。紐を結ぶことと、契りを結ぶことを重ねている。
よそ:離れた所
いれひも:衣の一方の輪の紐に、もう一方の紐を差し入れて結ぶ紐
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
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心がへするものにもが片恋は 苦しきものと人に知らせむ
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春立てば消ゆる氷の残りなく 君が心は我に解けなむ