秋の田の穂の上を照らす稲妻の
光の間にも我や忘るる
- 歌の意味
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秋の田の稲穂の上を照らす稲妻の光のような、ほんのわずかな間でも、私があの人を忘れることがあろうか。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌一 548
詞書「題しらず」
秋の田の穂の上に一瞬ひらめく稲妻の光を序とし、その一瞬の間でさえ相手を忘れることはないと詠む歌である。稲妻の短さを、恋心の途切れなさを強調するために用いており、秋の夜の鮮烈な景が一首を印象深いものにしている。前歌の第五百四十七首と同じ秋の田を詠みながら、稲妻の光という動きのある景へと展開している。
初句「秋の田の」は、前歌の第五百四十七首と同じ初句で、秋の田の歌が二首並んでいる。
二句「穂の上を照らす」は、稲穂の上を照らすの意で、字余りの句である。
三句「稲妻の」は、稲妻のことで、稲の実りをもたらすと考えられたことからこの名がある。初句からここまでが四句の「光の間」を導く序詞である。
四句「光の間にも」は、稲妻が光るほどのわずかな間にもの意である。
結句「我や忘るる」は、私が忘れるだろうか、いや忘れないの意で、「や」は反語を表し、連体形「忘るる」と係り結びをなす。
いなづま:稲妻。稲の実りをもたらすとされた
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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秋の田のほにこそ人を恋ひざらめ などか心に忘れしもせむ
- 次の歌
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人目守る我かはあやな花すすき などかほに出でて恋ひずしもあらむ