人目守る我かはあやな花すすき
などかほに出でて恋ひずしもあらむ
- 歌の意味
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人目をはばかるような私だろうか、いやそうではない。わけのわからないことだ。花すすきが穂を出すように、どうして表に出して恋をしないでいられようか。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌一 549
詞書「題しらず」
人目を気にして恋を隠す自分ではないと開き直り、花すすきが穂を出すように、堂々と表に出して恋をしようと詠む歌である。「穂に出づ」に表に現れる意を掛け、忍ぶ恋から一転して、恋を公にしようとする強い心を表している。前々歌の第五百四十七首が表に出さない恋を詠むのと対照をなしている。
初句「人目守る」は、人目をうかがい、はばかるの意である。
二句「我かはあやな」の「かは」は反語で、私がそのような者だろうか、いやそうではないの意となる。「あやな」は、わけがわからない、筋が通らないの意である。
三句「花すすき」は、穂の出たすすきのことで、四句の「ほに出でて」を導いている。本巻の第四百九十七首の「尾花」も、すすきの穂に恋を託している。
四句「などかほに出でて」の「ほ」は、すすきの「穂」と、表に現れる意の「秀」を掛けた掛詞である。前々歌の第五百四十七首の「ほにこそ」と同じ掛詞で、あちらは表に出さない恋、本歌は表に出す恋を詠んで対照をなしている。字余りの句である。
結句「恋ひずしもあらむ」は、恋しないでいられようかの意で、四句の「などか」を受けて反語を表す。
ひとめもる:人目をうかがい、はばかる
あやな:わけがわからない、筋が通らない
ほ:すすきの穂の意と、表に目立って現れる意を掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
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秋の田の穂の上を照らす稲妻の 光の間にも我や忘るる
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淡雪のたまればかてに砕けつつ わが物思ひのしげきころかな