- 歌の意味
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風が吹くと峰から離れて消えてゆく白雲のように、すっかり途絶えて冷淡なあなたの心であることよ。
- 鑑賞
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巻第十二 恋歌二 601
詞書「題しらず」
風が吹くと峰から離れて途切れてゆく白雲のように、すっかり自分から離れて冷淡になってしまった相手の心を嘆く歌である。上の句の山の景を序詞とし、峰を離れて跡形もなく消える雲の姿に、関係の途絶えと相手の冷淡さを重ねている。次歌とともに同じ作者の二首が「つれなき」相手を詠んで並ぶ。
作者の「たたみね」は壬生忠岑である。平安時代前期の歌人で、壬生忠見の父。下級官人であったが、古今和歌集の撰者の一人に選ばれた。三十六歌仙の一人である。
初句「風吹けば」 已然形に「ば」が付いた形で、風が吹くといつもの意を表す。
二句「峰に別るる」 「別る」は離れる意で、峰から離れてゆくことを言う。
三句「白雲の」 初句からここまでが序詞となり、雲が途切れることから四句の「絶えて」を導く。
四句「絶えてつれなき」 「絶えて」は、雲が途切れる意と、すっかり、全くの意とを重ねる。「つれなし」は冷淡である意である。次歌の第六百二首も「つれなき人」を詠み、同じ語で二首がつながる。
結句「君が心か」 「か」は詠嘆の終助詞で、なんとつれないあなたの心であることかと嘆いて結ぶ。
わかる:離れる
たえて:途切れて。また、すっかり、全く
つれなし:冷淡である、そっけない
- 作者
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壬生忠岑
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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夏虫を何か言ひけむ心から 我もおもひに燃えぬべらなり
- 次の歌
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月影にわが身をかふるものならば つれなき人もあはれとや見む