寄るべなみ身をこそ遠く隔てつれ
心は君が影となりにき
- 歌の意味
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身を寄せる手立てがないので、体こそ遠く隔ててしまったが、心はあなたの影のように、あなたに寄り添うものとなってしまった。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 619
詞書「題しらず」
近づく手立てがなく身は遠く離れているが、心は影のようにいつもあなたに付き添っていると詠む歌である。身と心を対比させ、離れていても思いは離れないという恋心を、影という身近なたとえで表している。
作者は「よみ人しらず」とあり、名は伝わっていない。
初句「寄るべなみ」は、身を寄せる手立てがないので、の意で、形容詞「なし」の語幹に接尾語「み」が付いて理由を示す。
二句「身をこそ遠く」は、係助詞「こそ」で身を強調し、心と対比させる。
三句「隔てつれ」は、完了「つ」の已然形「つれ」で「こそ」を結び、逆接で下へ続く。三句切れである。
四句「心は君が」は、二句の「身」と対になり、心の方はと話題を転じる。
結句「影となりにき」は、影のように離れずに寄り添うものとなってしまったと結ぶ。完了「ぬ」と過去「き」で、すでにそうなってしまったことを示す。
よるべ:身を寄せるところ、頼りとする手立て
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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浅みこそ袖はひつらめ涙川 身さへ流ると聞かば頼まむ
- 次の歌
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いたづらに行きては来ぬるものゆゑに 見まくほしさにいざなはれつつ