逢はずして今宵明けなば春の日の
長くや人をつらしと思はむ
- 歌の意味
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逢わないまま今夜が明けてしまったなら、春の日が長いように、いつまでも長くあの人を薄情だと思うことになるのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 624
詞書「題しらず」
逢えないまま今夜が明けたら、春の長い日のように、ずっと相手を恨めしく思い続けるだろうと詠む歌である。春の日の長さを恨みの長さに重ね、今夜こそ逢いたいという切実な願いを表している。
作者の「源むねゆきの朝臣」は源宗于である。光孝天皇の皇子是忠親王の子で、臣籍に下って源姓を賜り、右京大夫となった。三十六歌仙の一人である。
初句「逢はずして」は、逢わないままで、の意である。
二句「今宵明けなば」は、完了「ぬ」の未然形「な」に「ば」が付き、今夜が明けてしまったなら、と仮定する。
三句「春の日の」は、春の日が長いことから「長く」を導く序詞的な表現である。
四句「長くや人を」は、日の長さと時間の長さを重ね、係助詞「や」で疑問を示して結句で結ぶ。
結句「つらしと思はむ」は、推量「む」の連体形で「や」を結ぶ係り結びで、恨めしく思うことになるのだろうかと結ぶ。
つらし:薄情だ、恨めしい
- 作者
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源宗于
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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みるめなき我が身をうらと知らねばや かれなで海人の足たゆく来る
- 次の歌
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有明のつれなく見えし別れより 暁ばかり憂きものはなし