秋の夜も名のみなりけり逢ふといへば
ことぞともなく明けぬるものを
- 歌の意味
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長いと言われる秋の夜も、名ばかりであった。恋しい人と逢うとなると、何ということもなく、すぐに明けてしまうのだから。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 635
詞書「題しらず」
秋の夜は長いと言われるが、それは名ばかりで、恋人と逢う夜は何もしないうちに明けてしまうと詠む歌である。秋の夜長という常識を逆手に取り、逢瀬の夜の短さを嘆いている。
作者の「をののこまち」は小野小町である。仁明天皇、文徳天皇のころに宮仕えしたとされ、六歌仙、三十六歌仙の一人である。
次歌の躬恒の歌は、秋の夜が長いか短いかは逢う人次第だと答えるように続き、二首で対をなしている。
初句「秋の夜も」は、長いとされる秋の夜も、の意で、係助詞「も」が、ほかの夜と同じく、の意を添える。
二句「名のみなりけり」は、名ばかりであったことだ、の意で、詠嘆の「けり」で気付きを示す。二句切れである。
三句「逢ふといへば」は、逢うとなると、の意で、条件を示す。
四句「ことぞともなく」は、何ということもなく、の意で、何もしないうちに、という気持ちを表す。
結句「明けぬるものを」は、明けてしまうのだから、の意で、完了「ぬ」の連体形と詠嘆の「ものを」で結ぶ。二句の理由を後から述べる倒置となっている。
ことぞともなし:これといったこともない、何ということもない
- 作者
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小野小町
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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恋ひ恋ひてまれに今宵ぞあふさかの ゆふつけ鳥は鳴かずもあらなむ
- 次の歌
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長しとも思ひぞ果てぬ昔より 逢ふ人からの秋の夜なれば