しののめの別れを惜しみ我ぞまづ
鳥より先になきはじめつる
- 歌の意味
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明け方の別れが惜しくて、私の方が真っ先に、夜明けを告げる鶏より先に泣き始めてしまった。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 640
詞書「題しらず」
明け方の別れがつらくて、夜明けを告げる鶏が鳴くより先に、自分の方が泣き出してしまったと詠む歌である。「なき」に鶏が鳴くと人が泣くを掛け、別れを告げる鶏よりも早く泣く自分の姿に、別れを惜しむ気持ちの強さを表している。
作者の「寵」はうつくと読み、嵯峨源氏の出身の女性とされるが、詳しい経歴はわかっていない。
初句「しののめの」は、明け方の、の意で、第六百三十七首の初句と同じ言葉で起こし、夜明けの別れを受け継ぐ。
二句「別れを惜しみ」は、別れが惜しいので、の意である。
三句「我ぞまづ」は、ほかならぬ私が真っ先に、の意で、係助詞「ぞ」で自分を強調する。
四句「鳥より先に」は、夜明けを告げる鶏より先に、の意である。
結句「なきはじめつる」は、鳴くと泣くを掛けた掛詞で、完了「つ」の連体形「つる」で「ぞ」を結ぶ係り結びである。
なく:鶏が鳴く意と、人が泣く意を掛ける
しののめ:夜明け方、東の空がほのかに明るくなるころ
- 作者
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源寵
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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明けぬとて帰る道にはこき垂れて 雨も涙も降りそほちつつ
- 次の歌
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ほととぎす夢かうつつか朝露の おきて別れし暁の声